なんだかぼーっとしている。暑さのせいだろうかとも思うけど、この生活に入ってからなんだかぼーっとしてしまうのだ。直感的にこれはよくないと思いつつ何が変わっただろう。田舎に引っ越し人目に晒されることが少なくなった。着るものも食べるものも一緒になってきたりして、新しさを求める力がよわいのだ。ただそれはもとより自分の問題であるのかもしれない。そもそも自分の性格は、内に篭るし、保守的だし、都市に住んでいたときは何かのブーストがかかっていただけのような気もする。もとより好奇心が強かったりする人は住む場所が変わってもうまく取り込んでいけそうだ。
そんなネガティブなことを思いつつ、そこからなにか見出せないかとじっと考えている。無理のない生活をしてより一般的になり、街のリズムに合わせて自分も動いている。これが普通なのだがそうではない世界で暮らしていた身としては少々居心地が悪いというか慣れないのだが。その自然な在り方の中から生み出すものが今の自分にとって最善で最高なのかもしれない。目新しさや流行りから離れた場所からなにかを生み出すということの可能性。この場所からは、寄りつかず流されず静かであること、そしてその連なりのほうががより強いことを感じる。親が子どもにお弁当を準備するように、毎日洗濯物を干すように、派手ではないけどもっとも賞賛されるべきである生活の循環と、雑談や散歩など目的的ではない行動からにじみ出てくる人間の性に惹かれている。