Koto

お犬の話

ヨーロッパ全域かはわからないけれど、少なくともポーランドやデンマークではリードなしでお散歩している犬がけっこういる。個人的に見た割合的には、リードなしの子が4割ほど。そしてリードをすれば公共の乗り物にも乗れて、レストランにも入れる。

リードなしでお散歩して大丈夫なの?とはじめは心配したけれど、なんのその。トラブルの現場は見たことがない。お散歩中、もちろん電柱や草むらに寄り道するけれど、その犬のオーナーは気にすることなくスタスタと歩いて行ってしまい、犬は満足したらそのあとをちょっと駆け足で追いかける。例え私が「あの、お犬さま。差し支えなければ撫でさせていただきたいのですが」という熱視線を送っても、犬はこちらをちらりとも見ない。犬が興味を持つのは、他の犬の匂い、又はオーナーの二択のよう。

乗り物やレストランにいる時もとてもおりこう。オーナーの足の間に挟まっていたり、慣れている子はバスの中でも家のように寝ている。ものすごくたまーに思わしくない顔をする人もいるけれど、社会に犬がいるというのは当たり前になっているので、何も文句を言うこともなく、自ら離れたところに行ってしまう。それで落着。

ここにいる犬たちを見ているとより「人間と共に生活している」という感じがする。「犬の散歩に行く」ではなく「犬と散歩に行く」という言葉が合っている。そしてどの犬たちもみな、幸せそうな顔をしているのだ。そんな犬たちの顔を見て、私も幸せになっている。