河合隼雄を読んでいる。河合隼雄は臨床心理学者で、この本はこころの問題をあつかった本であるようだ。はじめて読んでいるがとてもおもしろい。

「マジメな人は自分の限定した世界のなかでは、絶対にマジメなので、確かにそれ以上のことを考える必要もないし、反省する必要もない。マジメな人の無反省さは、鈍感や傲慢にさえ通じるところがある。自分の限定している世界を開いて他と通じること、自分の思いがけない世界が存在するのを認めること、これが怖くて仕方ないので、笑いのない世界に閉じこもる。」

p.60

自立ということを依存と反対である、と単純に考え、依存をなくしてゆくことによって自立を達成しようとするのは、間違ったやり方である。自立は十分な依存の裏打ちがあってこそ、そこから生まれでてくるものである。

p.95

「強い者だけが感謝することができる」

p.146

こころの問題はきっと誰にでも思い当たる節があるだろうから、誰にでもおすすめしたい。